社会目標を設定・達成

一般に、政治シンボルは、先の定義から理解されるように、政治過程において二つの主要な機能を果たしている。

第一は、政治現象や政治的行動様式を記述・分析・説明する機能である。

つまりわれわれは、シンボルを媒介として、政治社会における自己の位置を確認し、それに基づいて行動し、行動することができる。

また逆に、一定の社会で用いられているシンボルを手掛りとして、その社会の政治状況を探ることも可能である。

政治学者H・D・ラスウェルは、人々の感情を結晶化させ、社会の統合を達成するのに重要な役目を果たすシンボルを「鍵(キー)シンボル」と称し、それが一定の社会でどれだけ頻繁に用いられているかを探ることで、その社会の意識状況や政治思想を把握することができると考えた。

さらに、政治シンボルは、社会のメンバーに、自分が属している社会の価値や目的を自覚させ、同じ価値や目的を有しているメンバーと連帯しているという意識を醸成する(シンボルの同一化作用)。

また、社会集団や組織とそれらの行動様式に正当性を付与したり剥奪(はくだつ)したりする一方で、新たに台頭する社会集団に正当性を付与したりする(シンボルの正当化作用)。

こうした同一化作用・正当化作用を、政治シンボルの組織化・統合作用という。政治シンボルのこうした機能に注目して体系的な分析を行ったのはアメリカのC・E・メリアムである。

彼は、人々の情緒に訴え、人々のなかに支配者や支配秩序が賛美に値するのだという感情を喚起させ、社会への帰属感・一体感・連帯感をつくりだすシンボルをミランダと称し、支配の正当性を合理化し、正当性信念を育成するシンボルをクレデンダと称した。

前者には、民族・階級などの言語シンボル、建造物などの物的シンボル、行進・デモなどの行動的シンボルなどが、後者には、神による授権などの非合理的な教義から、人民の合意というような合理的な論理などが含まれる。
update:2010年01月22日